ほっと一息

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2022.02.03

季節の室礼(しつらい) 立春大吉

JA広報通信1月号

和文化講師●滝井ひかる

 

 

 節分の翌日は立春。旧暦のお正月がこの頃にあることから、昔の人々は立春を一年の始まりと考えてきました。

 立春の朝、神社からいただいた「立春大吉」と書かれたお札を、玄関などの高い場所に貼ります。「立春大吉」という字は左右対称で、表から見ても裏から見ても、同じ形をしています。ですから、家に鬼が入ってから振り返っても同じように見えるので、振り返った鬼は勘違いをして「こちらの家に入ろう」と出て行ってしまうそうです。

 2月の行事「初午(はつうま)」は、暦で2月最初の「午」の日。全国の稲荷神社で、五穀豊穣(ほうじょう)や商売繁盛を祈願して祭礼が執り行われます。そして、稲荷神社の神様にお仕えしているのがキツネ。初午には、キツネの好物とされるいなりずしをお供えして、いただきましょう。

 2月は、各地で梅祭りが開かれます。学問の神様・菅原道真公が祭られている天満宮(天神様)には、道真公にゆかりのある梅が植えられています。合格祈願に多くの受験生がお参りに訪れます。

 令和元号の由来にもなった梅花。奈良時代のお花見は、桜ではなく梅だったそう。

 この時期の室礼は、梅の枝ぶりを生かして大胆に生けます。立春を意識して、木へんに春と書いた「椿(ツバキ)」も一緒に生けましょう。キツネのお面を添えるのもいいですね。「立春大吉」のお札も忘れずに。