ほっと一息

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2021.12.17

知って納得! 税金講座 不動産所得の総収入金額

JA広報通信12月号

JA全中・JAまちづくり情報センター 顧問税理士●柴原 一

 

 

 不動産所得は「総収入金額」から「必要経費」を差し引いて計算します。総収入金額は住宅、事務所、店舗などの賃貸収入、地代収入および駐車場収入など不動産を賃貸したことによる収入をいいます。これには、礼金、更新料はもちろん、電力会社の送電線下に地役権が設定されていることにより受け取る線下補償料、賃貸住宅建物の屋上に広告看板や携帯電話基地局のアンテナを設置させたことによる使用料、太陽光パネルにより発電した電力の売電収入も総収入金額に含まれます。また、賃貸住宅敷地や駐車場敷地に自動販売機を設置させ販売手数料を受け取っている場合、その手数料は不動産所得の総収入金額になります。

 敷金や保証金は、契約終了時に賃借人に返還するため原則として総収入金額に含めませんが、敷金などの名目であっても全部または一部が返還不要であるものは、返還不要が確定した時に総収入金額に含めます。例えば、賃貸契約書に「退去時に敷金の20%を差し引いて返還する」旨の記載があるときは、契約を結んだ時点で20%分の返還義務がなくなりますので、退去時に収入計上するのではなく契約時に計上します。

 

 賃貸収入の計上時期は原則として契約上の受け取り時になります。不動産賃貸借契約の多くは当月分の賃貸料を前月末日までに受け取る契約になっています。この場合、2022年1月分家賃であっても支払期限は2021年12月末日であるため、その家賃は2021年の収入になります。ただし、前月中に当月分の家賃を受け取った時に、その金額を前受金として処理し、当月において収入に振り替える経理(前受経理)を採用したときは当月分の収入になります。2022年1月分の家賃を2021年12月に受け取った際、その金額を前受金として経理し、2022年1月において収入に振り替えた場合その家賃は2022年分の収入になります。一度前受け経理を採用したときは、翌年以降も引き続き行わなければなりません。