ほっと一息

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2021.12.14

介護ハンドブック ある日突然、介護が始まる「脊柱圧迫骨折」

JA広報通信12月号

介護者メンタルケア協会代表●橋中今日子

 

 

 骨折が原因で介護が始まることはとても多いです。75歳以上で発症率が高くなる脊柱(せきちゅう)圧迫骨折は、いすから立ち上がったり、くしゃみをしただけで発症することがあります。受傷直後は痛みが激しく、寝返りすらままなりません。突然寝たきり状態になってしまうこともあります。

 

母親が突然寝たきりに……

 40代の会社員Fさんのケースです。両親は実家で2人暮らし。2年ほど前から母親に軽い物忘れの症状があり、父親は腰痛を抱えていたものの、介護が必要なほどではありませんでした。ところが、一昨年の大みそかに母親が激しい痛みを訴えて救急搬送され、脊柱圧迫骨折の診断を受けたのです。しかし、手術が必要なほどではなく、年明けの受診予約をしてそのまま帰宅することになりました。父親と2人がかりでなんとか連れて帰りましたが、母親は寝たきりの状態です。Fさんは、正月休暇を食事の世話やおむつの交換に明け暮れました。しかし、腰痛を抱えた父親一人では母親の介護はもちろん、受診もままなりません。

 

地域包括支援センターを頼ろう

 このような場合は、迷わず「地域包括支援センター」に相談しましょう。Fさんも、年明けすぐに電話をしました。緊急性が高いと判断した職員が翌日に自宅を訪問してくれ、介護保険の申請だけでなく、介護認定の結果が出るまでの1カ月半の間、介護ベッドやポータブルトイレをサービスの前倒しで利用できるよう取り計らってくれました。また、介護タクシーを利用した通院を提案してもらい、負担を減らすことができました。
 相談する際には「寝たきりの母の介護は腰痛持ちの父には難しく、自分は◯日から仕事が始まる」「整形外来を受診するように言われたが、寝たきり状態の母を連れて行く方法がない」など、何に困っているのかを具体的にメモしてから伝えましょう。必要な支援やサービスを提案してくれますよ。