ほっと一息

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2021.12.11

トラブル回避の基礎知識 外貨建て生命保険のトラブルにご注意

JA広報通信12月号

国民生活センター相談情報部●岡島睦美

 

 

 高齢者を中心に外貨建て生命保険のトラブルが増加しています。

【事例】2年前、定期預金が満期になり銀行の窓口に出向いた際、「金利が高く運用益が見込める。元本は保証されるので心配ない」と豪ドル建ての生命保険を勧誘され、満期金1000万円を豪ドルに替え保険料を一時払いした。最近、老後の資金が心配になり、銀行に「解約したい」と伝えると、「今解約すると800万円ほどしか戻らないので契約を続けた方が良い。元本は保険金受取時に豪ドルで保証され、日本円にする際には為替差損が発生する」と言われた。こんな説明は聞いておらず、付き合いの長い銀行がリスクの高い商品を販売するとは思わなかった。裏切られた気分だ(80歳代・男性)。

 

 外貨建て生命保険とは外貨(米ドルや豪ドルなど)で保険料を払い込み、外貨で保険金を受け取る保険のことをいいます。日本よりも金利の高い国の通貨で契約すると保険料が安く(利回りが高く)なる一方で、為替相場の変動や運用実績によっては、円換算後に保険金などを受け取る場合に大きな損失が発生する可能性のある、リスクがある商品です。

 トラブル事例では、高齢者が信頼してきた銀行から勧誘され、高額な契約に至っているケースが多く見られますが、投資や外貨運用の経験のない高齢者が複雑な仕組みや為替リスクを理解することは困難です。銀行などの金融機関には、勧誘に際してさまざまなリスクなどに関する説明を十分に行うことや、顧客の知識・経験・財産の状況・ニーズに適合しない勧誘を行ってはならないことが義務付けられており、高齢者に対しては一層の配慮が求められています。

 外貨建て生命保険のほとんどは契約申込日を含めて8日間はクーリング・オフが可能です。その期間を過ぎてしまっても、勧誘に問題があれば解決に向けて話し合いができる場合があります。消費生活センターに相談してください。