ほっと一息

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2021.11.26

資産管理の法律ガイド 売買について その19

JA広報通信11月号

JA全中・JAまちづくり情報センター 顧問弁護士●草薙一郎

 

 

 今回は土地売買における境界についての説明をします。

 土地を売買するときは、対象土地を筆ごとに特定して売買をします。この特定は登記簿の記載で行うのですが、大切なのはその土地が周辺の土地と明確に区別できているかです。そのため、土地の売買に当たって、買い主は必ず対象土地を見に行き、周辺の状況を確認することが大切となります。

 対象土地を見に行った際、境界に石が入っているか否かが重要ですが、その石がどのような趣旨の石なのかを測量士などに確認をしてください。

 そして、買い主としては確定測量図の交付を求めることが大切となります。確定測量図とは、土地家屋調査士が隣接所有者や公道の管理者らと、境界の立ち会いをし、境界杭(くい)を設置したり確認したりして作成した、隣接所有者全員の承諾印のある測量図面のことだとされています。

 この測量図と現地の境界杭とが一致していれば、売買対象地についての境界トラブルを防止することができます。

 ちなみに現況測量図とは、対象地の現況を設置されている杭などから測量した図面であって、境界が確定されているとは限りません。

 

 このように土地売買にあっては、確定測量図の存在が重要となります。そのため、売買契約書の中で売り主が隣接所有者の署名押印のある確定測量図を交付すると約定したときは、売り主の義務としてこの測量図を交付することになり、交付できないときは売り主の債務不履行になります。売り主は、周囲の土地所有者との良好な関係がないと、この測量図の入手が困難となり、売却に支障が生じることになります。

 次回は、筆界と所有権界について説明します。