ほっと一息

ほっと一息

2021.11.18

家族の健康 冬の「皮膚掻痒症」に要注意

JA広報通信11月号

健康科学アドバイザー●福田千晶

 

 

 冬は空気の乾燥により、屋外での農作業中は皮膚が乾燥しがちです。特に高齢になると水分や皮脂の分泌が少なくなるため、乾燥による皮膚掻痒(そうよう)症が増えます。

 肌の表面は皮脂膜により乾燥から守られ、さらにその下の角質層には、角質細胞間脂質と水分を保持する天然保湿因子が整っています。しかし、乾燥や加齢によって脂質や水分が失われると、皮膚を保護する機能が弱くなり、ほんの小さな外力でも刺激となってかゆみを引き起こします。

 皮膚が乾燥していると、本来は深部に位置しているかゆみを感じる神経が角質層まで伸びてくるので、わずかな刺激でもかゆみを感じるようになるのです。

 乾燥によるかゆみの予防や対策として、屋外での農作業が終わったら、家の中では加湿器を使用して、湿度50%程度を目指し、室内の乾燥を防ぎましょう。

 かゆみがあると入浴時に体をゴシゴシ洗いたくなりますが、強くこすると皮膚を守る皮脂膜が落ちてしまいます。熱過ぎる湯、ボディーソープの大量使用、ナイロン製のたわしやタオルで洗うことなども、同様に皮脂膜が落ちてしまうのでやめましょう。入浴後は保湿剤を塗って乾燥を防ぎます。また、下着はかゆみを引き起こしやすい化学繊維より、木綿やシルクといった肌に優しい素材を選ぶと良いです。

 

 激しいかゆみで苦痛が生じたり、市販の保湿剤を塗っても治らない場合は、皮膚科を受診してください。すでに治療中の病気のある人は、その病気がかゆみの原因になっていたり、薬の副作用で皮膚の異常が生じたりすることもあるので、主治医にも相談してください。