ほっと一息

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2021.11.05

資産管理の法律ガイド 売買について その18

JA広報通信10月号

JA全中・JAまちづくり情報センター 顧問弁護士●草薙一郎

 

 

 今回は登記簿謄本に設定されている登記の説明をします。

 売買を急いだ方がよいのは、登記簿謄本に抵当権や差し押さえの登記が設定されている物件です。

 抵当権は借入金の支払いの担保として設定されていますので、万一、支払いを怠ると、抵当権の実行、つまり競売の対象物件となってしまいます。抵当権付きの物件については、抵当権者が貸付金の回収ができれば抵当権の抹消に応じることになります。差し押さえの設定がされている物件は、前述のように競売の対象となった物件です。差し押さえには抵当権の実行の場合の他に、物件所有者に対して金銭債権を有している債権者が判決に基づいて競売をするケースもあります。また、公租公課の滞納で役所から差し押さえられるケースもあります。

 競売になると物件の入札手続きを経て落札者の所有となりますので、この差し押さえの登記が付いているときには、対象物件の売買を急ぐとともに、競売関係者との協議をすることになります。

 将来負担付きの物件となるものとしては、物件に賃借権や地上権の登記が付いているケースです。このような物件を購入しても、買い主は賃借権などの負担が付いた状態で購入することになります。

 購入しても別の人が優先されてしまうケースとしては、売買予約の仮登記が付いた物件です。農地法上の許可などを条件として売買するようなときに、その旨を売買予約の仮登記をして表示します。このような物件は、農地法上の許可などがあると売買をすることになり、仮登記の後に第三者が所有権移転登記を付けても、仮登記に優先されてしまうことになります。

 

 次回は売買契約時の境界についての説明をします。