ほっと一息

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2021.10.29

ストップ! 農作業事故 乗用トラクターの事故あれこれ

JA広報通信10月号

人間工学専門家●石川文武

 

 

 農作業死亡事故では、乗用トラクターが関わっている場合が最多です。今回は、頻繁に発生している負傷事故について解説します。

 作業機の着脱時に起こる事故を考えてみましょう。最近はクイックヒッチで簡単に3点リンクとつなげることができますが、トラクターを作業機に接近させるときに、きちんと正対せず、無理につなげようとして作業機を転倒させてしまい、近くにいた補助者が負傷したり、オペレーターが作業機を起こすために不自然な姿勢で手を掛けて腰を痛めたりします。クイックヒッチではないときには、左ロワーリンク、右ロワーリンク、トップリンクの順につなぎます。ドライブシャフトを最後に装着しますが、狭い場所で取り扱うので、取り落とすことのないようにしましょう。安全カバーの回り止めチェーンも確実につなげましょう。装着時に、首に掛けた携帯電話が滑り落ちることがあり、それに気を取られて負傷することもあります。

 乗車時には、靴底の土を落とし、両手でハンドグリップをつかんで乗り込みます。下車時には、前向きで下車する人を見かけますが、ステップの踏み外しにつながるので、後ろ向きになってハンドグリップをしっかりつかんで下車しましょう。

 燃料補給口が比較的高い場所にある場合、燃料タンクを高く持ち上げなくてはなりません。そのときにバランスを崩して転落した事例があります。脚立などを使って、安定確保を心掛けましょう。作業機の大きさや重さによっては、フロントウエートを付ける必要があります。腰を痛めないような姿勢を保つとともに、安全靴を履いて不意の落下に備えましょう。

 

 安全キャブフレーム(ROPS)付きの場合は、乗車したらシートベルトを使いましょう。トラクター購入時にROPSなしであっても、機種によっては後付けができるようになりました。ディーラーに相談して、命を守る行動を取りましょう。