ほっと一息

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2021.10.10

知って納得! 税金講座 農地等に係る相続税の納税猶予の概要と改正

JA広報通信9月号

JA全中・JAまちづくり情報センター 顧問税理士●柴原 一

 

 

 相続人が農地・採草放牧地・準農地(農地等)を相続または遺贈により取得し引き続き農業を営む場合、一定の要件の下、農業投資価格に基づき計算した相続税を納税し、通常評価に基づき計算した相続税との差額については納税が猶予され、その相続人が亡くなった日など一定の日において免除されます。農業投資価格は通常評価に比べかなり低い金額になっているため、その農地等に係る相続税の大部分の納税が猶予されることになります。これを農地等に係る相続税の納税猶予といいます。

 なお、特定生産緑地の指定が行われた後においては、特定生産緑地の指定を受けなかった生産緑地については納税猶予の対象から除外されます。特定生産緑地の指定前から納税猶予を受けていた農地等については、特定生産緑地の指定を受けなかったとしてもただちに納税猶予が打ち切られるわけではありませんが、現在、納税猶予を受けている方が亡くなったとき、次の納税猶予が受けられなくなります。

 納税猶予を受けている農地等を売却もしくは他の用途に転用等した場合は、納税猶予が打ち切られ売却等を行った日から2カ月以内に猶予されていた税額を、当初の納期限から打ち切りによる納税までの期間に係る利子税と共に納める必要があります。この場合、売却等を行った農地等の面積(過去に売却等された農地等があるときはその面積を含みます)が納税猶予対象農地等全体の20%以下のときはその農地等に対応する猶予税額が、20%を超えたときは猶予税額の全部が打ち切りの対象になります。ただし、収用等に伴い売却された農地等については20%の計算に含まれません。

 また、収用等のために農地等を売却したときは、特例により当初の納期限から打ち切りによる納税までの期間に係る利子税の全額が免除されます。

 この利子税免除の特例は2021年3月31日までの措置でしたが、今回の改正で5年間延長され2026年3月31日までになります。