ほっと一息

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2021.10.04

ストップ! 農作業事故 農作業事故者の地域特性(ブロック比較)

JA広報通信9月号

人間工学専門家●石川文武

 

 今回は、各農政局と北海道、沖縄でブロックをつくり、事故発生件数からその特性を分析します。

 

 

 図は、死亡事故の発生件数を農政局単位で示しています。北海道と沖縄は一つの自治体ですが、他の農政局は構成している県の数に開きがあること、作付品目が同一ではないこと、気象条件や圃場(ほじょう)条件も異なることなどから、この図だけで性急な判断はできません。また、農林水産省の発表では、死亡件数が3件以下の場合には、実数が示されていません。それらに基づいて、若干の危険性はありますが過去の傾向などを踏まえて推定値を外挿(がいそう)しています。

 この図から、九州、中四国、東北地区では一様ではありませんが、事故減少の傾向が見られます。その他の地域は横ばいです。なお、2011年の東日本大震災による東北地区への影響は、県別に見ても確認はできませんでした。16年の熊本地震では、発生が4月であったことから春作業への影響が大きく、16年以降は死亡者が減少しています。復興が進んだ後にどのような傾向になるかは推定できません。

 次に、各道府県別に事故の発生率を分析します。年次によって増減がありますので、14年から18年について、農業就業人口と死亡事故件数から事故発生率を俯瞰(ふかん)しました。これによると、事故件数は少なくても就業者が少ないと事故率は高くなります。事故率の高い上位10県を紹介します。山梨県、鹿児島県、岐阜県、山口県、佐賀県、大分県、福岡県、熊本県、沖縄県、長崎県となっています。九州各県の事故率が高くなっています。

 事故率の高い県と事故件数の多い県は事故の原因や様態を分析して、事故減少に向けた適切な対策を行う必要があります。