ほっと一息

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2021.09.11

ストップ! 農作業事故 農作業事故者の地域特性(北海道)

JA広報通信8月号

人間工学専門家●石川文武

 

 

 北海道農作業安全運動推進本部の事故報告書から分析しました。

 2010~2019年までの10年間で、死亡事故178件、農業従事者131人につき1人が亡くなっています。過去のデータから見ると年間平均18人が亡くなっています。負傷者は2万3400人程度で、死亡者の130倍となっていますが、負傷件数は減少傾向にあります。

 死亡事故では農業機械関係が75%、高所からの転落10%、家畜関係5%などです。農業機械事故ではトラクター、トラック、パワーショベルで多く発生しています。一方負傷事故では、家畜関係36%、農業機械関係30%であり、家畜の中でも牛との接触事故が約7000件、84%を占めています。

 2005~2018年までの事故データを分析すると、1000人当たり男性が25~30人、女性が13~17人、全体で19~24人となっており、女性は男性のほぼ半分ですが、2012年以降女性の事故率が上昇傾向です。根室、宗谷管内では女性の事故率が他の地区よりも高くなっています。

 北海道は広いので、農業も地域特性があります。ここでは、道南(渡島、檜山、後志)、道央(石狩、空知、日高、胆振)、道北(上川、留萌、宗谷)、道東(オホーツク、十勝、釧路、根室)に分けて負傷事故も含めて事故様態を分析します。

 

 

 

 表は地区別1000人当たりの事故率を示しています。道東>道央・道北>道南と道東地区の事故率が高くなっています。支庁別に事故率を見ると、最も高いのが釧路、宗谷、根室地区、次いで日高、十勝、オホーツク地区です。畜産が多い地区で事故が多発していることが読み取れます。

 道内の作業安全確保には、道全体で見るよりも、地区別の農業様態に沿った分析と対策が必要です。