ほっと一息

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2021.09.07

家族の健康 老人性難聴

JA広報通信8月号

健康科学アドバイザー●福田千晶

 

 9月20日は敬老の日です。元気に年齢を重ねられたお年寄りが増えています。しかし、加齢に伴い体の機能が衰えることがあります。自覚しやすいのは「老人性難聴」、つまり加齢以外に原因がなく耳が遠くなる現象です。

 老人性難聴は、耳にある音を感じ取る細胞の数が減少したり、細胞の機能が低下したり、音を聞く神経に衰えが生じることで、聞こえが悪くなると考えられています。特に高音部の音から聞こえにくくなります。低い音でゆっくり話すと聞き取りやすく、コソコソ話す内緒話は聞き取れてしまうので「年寄りの地獄耳」などと表現されるのでしょう。

 老人性難聴の特効薬はありませんが、補聴器の使用で聴力を補う方法があります。軽症のうちから聴覚刺激を入れておく方が、進行の予防になるともいわれています。

 家の中での生活ではあまり支障がなくても、広い農地では少し離れた場所にいる人の声が聞こえないと不便なことがあります。早めに耳鼻科の医師や補聴器販売店に相談し、農作業中でも使いやすい補聴器を使用することをお勧めします。声や音ではない動作での合図を決めておき、農作業中のコミュニケーション手段にすることも一案です。

 家族や周囲の人々は、高齢者との会話では、落ち着いた低めの声でゆっくりはっきり話すように留意しましょう。BGMなど他の音と会話の声が重なると聞き取りにくくなるので、大切な会話のときはテレビなどを消して、他の音が重ならないように配慮すると良いでしょう。自動車運転のときも、ラジオや音楽はつけないで、交通関連の音や運転に必要な会話だけに集中すべきです。

 老人性難聴の決定的な予防法はありませんが、栄養バランスの取れた食事、適度な運動を心掛け、ヘッドホンでの大きな音を避けることは予防につながる可能性があります。