ほっと一息

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2021.08.18

介護ハンドブック 介護保険を申請するタイミング

JA広報通信7月号

介護者メンタルケア協会代表●橋中今日子

 

 介護保険の申請は「市区町村」または「地域包括支援センター」で行います。最近は「いつ申請したらいいの?」と、タイミングを迷う相談が増えています。

■ 介護保険申請の最初の一歩は「相談すること」

 女性会社員(40代)のKさんのケースです。「独り暮らしをしている父(78歳)の様子が変なんです。歩き方がどこかぎこちなく、よく転びます。病院に行くよう勧めても、声を荒げて話し合いになりません。以前は穏やかだったのに……」。Kさんは半年もの間、終業後に毎日実家に通って疲れ果てていました。介護保険の申請をするよう助言すると、「いいんですか? 友達に『今の状態だと認定は下りないかも。もっと大変になってからにしたら?』と言われたんです」と驚かれていました。Kさんのように申請をちゅうちょしたり「本人が嫌がるから」と後回しにしたりしているうちに疲れ果て、悲しい事件に至るケースは少なくありません。分からないことは、プロに聞くのが一番です。Kさんは市の高齢福祉課に相談に行き、その場で介護保険の申請ができたそうです。

 

■ 認定調査では「できるけれど、問題があること」を伝える

 介護保険の申請後、調査員による「認定調査」が行われます。認定調査の日時が決まったら、「本人の前では言いにくいので、後で時間をください」と約束しておきましょう。調査員に伝えてほしいのは、「できるけれど、問題があること」です。例えば「1人で着替えられるが、夏なのにセーターを着ている」「1人でトイレに行けるが、トイレもズボンも汚し、気付いていない」などです。「夕方になると機嫌が悪くなる」「夜中に大声で叫び続ける」といった、家族にしか分からないトラブルも併せて伝えると効果的です。事前に箇条書きのメモを作っておき、コピーして主治医に手渡しておけば、主治医意見書にも反映されます。ぜひ、活用してください。