ほっと一息

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2021.08.16

ストップ! 農作業事故 農作業事故者の地域特性(全国)

JA広報通信7月号

人間工学専門家●石川文武

 

 農作業事故は交通事故と同様に各地で発生しています。以前解説したように、農業従事者10万人当たり農作業事故は全国で約16人、交通事故は人口10万人当たり約2・5人となっており、農作業事故がいかに多いかが分かるでしょう。農作業事故は道路上だけでなく、田畑や施設内でも発生しており、地形や気象条件、栽培作目によって地域的な特徴が見られます。また今回は、行政区分に基づいて、事故の多少を分析し、対策を考える参考にしたいと考えています。

 

 


 表は、警察庁がまとめた2020年の交通死亡事故のデータです。死亡人数の多い県、少ない県、事故死亡率の低い県と高い県をそれぞれ三つずつ挙げました。最近数年のデータと併せて他の都市の傾向を見ると、死亡人数は大都市のある地区で多く、北陸・山陰地区では少ないようです。しかし、人口10万人当たりで見ると、大都市では事故死亡率が低く、山陰・北陸・四国で高いようです。つまり、大都市では事故も多いけれど、人口も多いということで事故死亡率は低くなっています。

 次に、農作業事故の都道府県別発生について農林水産省のデータから考えます。最新データは2019年ですが、農業従事者10万人当たりのデータは2017年です。農作業死亡件数が3件以下の場合は実数が公表されていません。2019年では、全国で281件、北海道、埼玉、長野が多く、宮城、群馬、福井、滋賀、島根、長崎、沖縄など12県が3件以下です。ただし、東京都は調査対象外です。農業従事者10万人当たりで見ると、岡山、山梨、鹿児島、福岡、長崎の各県が高く(3・3~4・1件)、千葉、栃木、愛知、茨城の各県は低くなっています。他の道府県は同じような事故率です。

 悲惨な事故を減らすには、事故の多い地区、事故率の高い地区それぞれで工夫が必要です。