ほっと一息

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2021.08.15

季節の室礼(しつらい) 涼を感じる夏の室礼

JA広報通信7月号

和文化講師●滝井ひかる

 

 今月は、暑い夏を少しでも涼しく過ごす「和」ならではの工夫をご紹介します。

 8月も1週目を過ぎれば暦の上ではもう立秋。立秋前の約18日間を「土用」といいます。今は夏の土用のみが定着していますが、本来土用は四季ごとにあります。夏の土用は7月20日ころ~8月7日ころ。土用の丑(うし)の日には、ウナギに限らず「う」の付くうどん・梅干し・ウリ科の食べ物で暑気払いをします。

 暑中見舞いを出せるのは梅雨明けからこの土用の間。立秋を過ぎたら「残暑見舞い」を出します。

 室礼には欠かせない季節や行事の切り花も、この時期は水や茎が腐りやすいため長持ちしません。そこで涼しげなテラリウムを置くのはいかがでしょうか。テラリウムは透明なガラスなどの入れ物で植物を育てます。コケや多肉植物、水をあまり必要としないエアプランツを、昔ながらの金魚鉢に入れて飾るのはどうでしょうか。土だけでなく小石や砂、ビー玉などを敷いて、旅先の海で拾ってきた貝殻や流木を添えるといいですね。ガラス細工や陶磁器の金魚を中に入れてもいいでしょう。金魚型の箸置きでも代用できます。

 

 夏休みの宿題や箱庭遊びのように、童心に帰って、夏の思い出を大切に閉じ込めてみてはいかがでしょうか。