ほっと一息

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2021.07.23

ストップ! 農作業事故 草刈り作業の安全

JA広報通信7月号

 人間工学専門家●石川文武

 

 2012年の農作業死亡事故調査結果が農林水産省から公表されました。それによると、死亡は350件で3年連続で減少しました。今までは年間平均400件で推移していたのと比べると約50件の減少となり、安全意識が向上していると推測できますが、機械が関係している事故は減っていません。今月の話題である草刈り作業について見ると、刈り払い機では8件で、過去10年の合計63件からの平均より高くなっています。乗用草刈り機やモーアなどが関係している事故は不明です。ゼロではないでしょうし、負傷事故も多く発生しています。

 

 事故の要因は以下のように分類できます。

(1)安全防護装置を正しく使わない

(2)第三者あるいは共同作業者との安全距離の不足

(3)作業前の異物除去・確認の省略または不十分

(4)のり面や斜面での姿勢不安定

(5)草の絡み付き除去時のエンジン不停止、などです。  

(1)は、飛散防護カバーは絶対に取り外さないこと、取り付け位置をずらさないことです。石や刈り刃の一部が作業者の方に飛んできて、失明など大けがをすることがあります。

(2)は、複数で作業するときは5m以上離れて行わなければなりません。第三者が連絡などで近づくときは15m以内に近づけさせてはいけません。

 

(3)は、道路に接近している圃場(ほじょう)には、空き缶やペットボトル、石などがあります、事前に取り除きましょう。また、電柱の支柱や取水口のコンクリートなどには目立つ印を付けましょう。

(4)圃場整備の結果、のり面が長くなっている部分があります。刈り幅は1.5m程度になるように小段を設けることが有効です。滑りを防止するためにはスパイク付きの靴を履くのも効果があります。

(5)は、草の種類や丈によっては絡み付きが生じますが、その場合は必ずエンジンを停止させてから取り除きましょう。一瞬の油断が大きな損失につながります。