ほっと一息

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2021.07.22

トラブル回避の基礎知識 タイムシェアの契約は慎重に!

JA広報通信7月号

 国民生活センター 相談情報部●黄田玲子

 

 「タイムシェア」と呼ばれる海外の所有権付きリゾート会員権に関わるトラブルが起きています。

 

 

【事例】1年前、旅行先のハワイのホテルの敷地内で日本人から声を掛けられた。リゾート会員権についての話を聞けば買い物券がもらえると聞き、会場に出向いた。寝室が2つとキッチンが付いた豪華なモデルルームを見学した後で「ホテルの1室の52分の1の所有権(タイムシェア)を購入すれば、毎年1週間その部屋に滞在できる宿泊ポイントがもらえる。このポイントで世界中の系列ホテルにも宿泊できる。会員権は月々2万円ずつ10年分割で払える。管理費が年8万円ほどかかるが、永代使用できるのでお得だ」と説明された。豪華な部屋に魅了され、英語で記載された分厚い契約書を読まずにサインした。しかしその後、夏休みに予約を取ろうとしたが取れなかった。泊まりたいときに予約できないならやめたいが、契約書の内容が理解できない。どうしたらいいか。

 

 タイムシェアとは、対象物件を一定期間だけ(事例は1年で1週間)所有できる権利です。一つの物件を複数人で所有するため、予約を取るのは簡単ではありません。しかし思い通りに利用できなくても、会員権費用以外に管理費などを将来にわたって払い続けなければなりません。

 海外に出向いて契約した場合には日本の法の適用はなく、契約は現地法や、規約があればその内容に従うことになります。解約したい場合、規約などにクーリング・オフなどの規定があれば一定期間は無条件で解約ができます。しかしその期間を過ぎると販売業者は通常買い戻しをしないので、会員権費用を完済した上で仲介業者を通じて売却するしかありません。その場合にはさまざまな手数料が掛かり、売却額は購入額を大きく下回る可能性があります。

 海外では開放的な気分になり思わぬ契約をしてしまいがちですが、契約は慎重にした方がよいでしょう。