ほっと一息

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2021.06.10

季節の室礼(しつらい)  入梅

JA広報通信5月号

和文化講師●滝井ひかる

 

 暦の上では毎年6月10日ごろ、入梅となり、実際に梅の実も熟し始めますが、気象庁が発表する「梅雨入り」とは少しズレがあるようです。

 この時期は、傘を新調したくなりますね。最近は、ビニール傘をリサイクルしてバッグにしたり、着物をリメークして和傘にしたりすることが注目されているようです。

 日本列島を北上するようにホタルの幻想的な姿を見ることもできます。水がきれいな場所で見られるホタル。一時は環境汚染で減少しましたが、保全活動も行われ再び見られるようになってきました。ヘイケボタルやゲンジボタルといった種があり、実際『源氏物語』にもホタルの求愛の明かりが描かれています。

 そして、雨にぬれたアジサイも美しい見頃を迎えます。みずみずしいアジサイをガラスの器いっぱいに生けるとすてきですね。竹の台にひしゃくを置いて、あじさい寺の手水舎(ちょうずや)のような演出はいかがでしょう。アジサイはしっかりと水上げをしましょう。花にお水が行くように余分な葉を落としたら、茎を斜めに切ります。茎の中の白いワタのような繊維をかき出し切り口を焼くと、水がよく上がりますよ。

 

 竹細工やガラス細工のホタルを添えて、水の季節ならではの室礼を楽しみましょう。