ほっと一息

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2021.02.21

ストップ! 農作業事故  情報、技術を復習し理解を深めよう

JA広報通信2021年2月号

人間工学専門家●石川文武

 

 

 高齢化に伴って、体力、視力、聴力などが低下することは前回までで説明しました。その他の機能の中で、20代に比べて、学習能力は60%、記憶力は55%程度まで低下しているというデータがあります。

 

 これからの農業は、肉体労働主体から精神労働主体に変わっていきます。新しい技術を吸収して円滑な農業を継続するには、何に気を付ければ良いでしょうか。

 

 まずは、高齢になると、新たな情報取得がおっくうになってきます。それを補うには、地域で開催される「農作業安全講習会」に積極的に参加しましょう。かつては安全イコール事故情報と思われていましたが、最近はそうではなく、事故に至る背景要因と再発防止のための行動へのヒントが話題の中心となっています。「農作業安全の話を聞いても、収量や品質が良くなるわけではないから、聞くだけ無駄」と思うかもしれません。しかし、万が一事故があれば、適期作業を逃すだけではなく多くの経済的損失や精神的ダメージがあることを考えてください。極端な場合には、離農せざるを得ない例もあります。スマート農業などの情報も得られます。まずは参加することが大切です。

 

 

 ほぼ一年中使う機械もあれば、数日しか使わない機械もあります。購入したときだけでなく、シーズン初めには、もう一度使い方について取扱説明書をしっかりと読み直しましょう。自己流で行っていたことが見つかったり、間違った調整だったことが見つけられたりする可能性もあります。機械の機能が正しく発揮されるように、操作方法を復習し、簡易な点検・調整も行いましょう。その際に、機械の安全装備について、正常に機能するかの確認も忘れてはいけません。安全装備が不十分な状態で作業をすることは、事故を呼び込んでしまうことにもなります。前年までに感じたヒヤリハットを思い出し、その背景についても再確認するように心掛けましょう。

 

 何歳になっても、新しい技術などを理解し、豊かな農業生産に取り組む姿勢を忘れないでください。