ほっと一息

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2021.01.12

資産管理の法律ガイド 成年後見制度

 JA全中・JAまちづくり情報センター 顧問弁護士●草薙一郎

 

 今回は、成年後見制度の効果について説明します。

 

 Aさんを成年被後見人(成年後見の対象となった人)、Bさんを成年後見人とします。

 

 この場合、BさんはAさんの法律行為に対する代理権限を有していますが、Aさんが勝手に法律行為をしても、BさんはAさんの法律行為を取り消すことができます。ただし日用品の購入やそのほか、日常生活に関することについては、金額も小さいので取り消しの対象になる行為にはなりません。従ってコンビニなどでジュースを購入することは、Aさんが単独でできるということになります。

 

 もしAさんが何かを売却する契約をした時は、Bさんによって取り消すことになるので、Aさんは売却したものを返還してもらうとともに、受領した代金を買い主に返すことになります。

 

 またAさんが一般的な物事に対する判断力を回復したような時は、医師2人以上の立ち会いで遺言書を作成することが可能です。

 

 ただし、そうでない時の遺言はAさんに判断力がない以上、その効力は認められないことになりますし、他人の遺言書作成の証人になれないほか、会社の取締役に就任できないという制約が課せられます。

 

 ただ、成年後見制度の対象となっても、従前の禁治産宣告などの時のように戸籍にその旨が表示されることはなく、専用の登記ファイルに登録されるだけです。

 

 いろいろと制約が課される身分になり、また後見人の任務も重責ですが、被後見人の財産を保護するために必要な措置だといえます。