ほっと一息

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2021.01.11

知って納得! 税金講座 相続税の債務控除

 JA全中・JAまちづくり情報センター 顧問税理士●柴原 一

 

 

 相続税の対象となる金額(課税価格)を計算する際に、亡くなった人(被相続人)が負担していた債務や相続人などが負担した葬式費用は、債務控除といい被相続人の相続財産からそれらの債務や葬式費用の金額を控除します。

 

 例えば、被相続人が金融機関から借り入れをしていた時は、その被相続人が亡くなった時点(相続発生時)の借入金残高は、債務控除の対象となります。一方、被相続人が第三者の債務に対して保証人になっていた場合はどうでしょう。原則として、相続発生時点で単に第三者の保証人になっていたというだけでは、その保証している第三者の債務は債務控除の対象にはなりません。

 

 債務控除が認められるためには、相続発生時に債務者がその債務について弁済することができない状態に陥り、その保証債務を履行しなければならないことが明らかである場合、かつ、その債務者に履行した分の返還を求めても、返還を受ける見込みがない場合に限り、債務者が弁済不能である部分について、被相続人の債務控除として相続財産から差し引くことができます。

 

 なお、債務者が債務について弁済不能の状態に陥っているかどうかなど、債務控除の対象になるかどうかの判定は、相続発生時の現況により行われます。例えば、相続発生時において被相続人がある会社の債務の保証をしていたとしましょう。被相続人が保証していた債務に関し、相続発生時には弁済不能の状態に陥っていなかった場合には、仮に、相続の発生後に、その会社の経営状態が急速に悪化し倒産に至り、その結果、相続人が保証債務の履行を行わざるを得なくなったとしても、相続税の債務控除の対象にはなりません(ただし、保証債務自体は承継されるので債務の支払義務は生じます)