ほっと一息

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2021.01.10

お天気カレンダー 雪の魔法

 財団法人日本気象協会●檜山靖洋

 

 

 雪に対するイメージは、地方によってかなり違うように思います。関東の都市部で育った私は、子どものころ雪が降るとうれしいものでした。日本海側の豪雪地帯では、大雪にうんざりする方も多いかもしれません。

 

 日本海側では例年1月に最も多く雪が降ります。シベリアから冷たい空気が吹き出し、比較的暖かな日本海を通ります。温かい水の上に冷たい空気…温泉やお風呂と同じで、水面から「湯気」が沸き立ちます。この「湯気」が発達して雪雲になります。

 

 日本列島の中央には高い山がありますので、雪雲は日本海側に雪を降らせた後、山にぶつかり太平洋側にはあまり流れ込みません。このため、日本海側で雪が多くなります。

 

 雪国では、大量の雪を効率良く利用します。雪は氷ですから、冷たいイメージが強いものですが、実は保温効果があります。気温がどれだけ下がっても、雪に囲まれた所は0度くらいで保温されます。温度が一定に保たれるため、野菜の保存に使われるなど、「天然のチルドルーム」といえます。

 

 また大量の雪を保存し、夏にその雪を使って室内を冷やすという冷房システムもあります。これらは自然エネルギーを使った地球に優しい利用方法です。

 

 雪の下で育てる野菜もあります。秋に収穫する野菜をわざわざ積もった雪の下で越冬させると甘味が増すのです。「雪下ニンジン」は、ニンジン嫌いな子どもでも食べられるほどの甘さだそうです。

 

 「平成18年豪雪」では大雪により大きな被害を出しました。しかし、そんな雪もエネルギーとして使うことができたり、野菜をおいしくしてくれるなどの恵みも与えてくれるのです。